水虫の感染を予防するために
再発・感染の予防のために
わたしが水虫の治療をしたのは2年前です。根気よく治療したので、今は完治しています。
しかし、水虫はとてもポピュラーな病気で、日本国民の5人にひとりは水虫患者です。自分の水虫が治ったからと言って安心できません。油断すれば、また誰かから感染して、水虫再発という残念なことになります。
再発防止のためにわたしが心がけているポイントをご紹介します。
日本の生活習慣は水虫感染リスクが極めて高い
外国では、家の外で靴を脱ぐことは滅多にありません。しかし日本では、そこらじゅうでスリッパへの履き替えを求められます。また、居酒屋や蕎麦屋などの飲食店には座敷席があり、靴を脱いで畳にあがることもあります。
男女を問わず日本人の4~5人にひとりは水虫です。したがって、数人が歩いたあとの床には、水虫菌がいます。そんなところを歩けば、水虫菌(白癬菌)が足の裏につきます。
靴下を履いていても、水虫菌は繊維の隙間をくぐってきます。薄いストッキングに至っては、防御力ゼロです。
スリッパはとくに危険
飲食店や病院のスリッパは水虫菌の温床です。
飲食店でも病院でも、スリッパの衛生状態にまで気をまわしていません。不特定多数の人の足の汗、アカ、そして水虫菌(白癬菌)でグジャグジャになっているのが通常です。
水虫菌はスリッパを介して伝播します。ミツバチが花から花へ花粉を運ぶように、スリッパは人から人へと水虫菌を運びます。
その恐ろしさを、意識すべきです。
そこで、
- 履かなくても文句を言われないなら履かない(裸足のほうがまだまし)
- 居酒屋でトイレに行くときは自分の靴で行く
- マイスリッパを持参
- どうしても共用スリッパを履かざるをえないときは、厚めの靴下を履き、スリッパを脱いだらすぐに靴下を替える
などの対策を、わたしはしています。
使い捨てのマイスリッパを持参する
使い捨てのスリッパは、70円くらいで買えます。ビジネスホテルの部屋に備え付けてあるような紙製のスリッパです。畳めば数ミリの厚さしかないので、バッグに入れておいても邪魔にはなりません。
ちなみに、わたしは自宅に来たお客さんにも、この使い捨てスリッパを履いてもらっています。家の中に水虫菌を落としてもらいたくないからです。
自分もスリッパ姿で出迎えて、「うちはスリッパなんです」とウソをついて自然に履いてもらいます。そして、客が帰ったら端っこをつまんでゴミ箱に捨てます。
すべての他人を、水虫菌の運び屋と認識することが大切です。
靴下を替える
飲食店や病院などの共用スリッパを使えば、靴下に菌がつきます。そのまま靴を履くと、靴に菌が移ります。水虫菌は靴の中で半年くらい生きつづけます。
水虫菌がついた靴下で帰宅すれば、自宅に水虫菌がやってきます。水虫菌は、そうやって生活環境に拡散していきます。自宅の床に水虫菌をまき散らせば、家族の誰かが水虫に感染してしまいます。
そういう事態は避けなければなりません。共用スリッパを使った後は、自分の靴を履く前に靴下を履き替えることが望ましいです。脱いだ靴下はビニール袋に入れて持ち帰り、洗濯します。
普通に洗濯機で洗濯すれば、水虫菌は流れていきます。ほかの洗濯物と一緒に洗っても大丈夫です。
バスや電車のフットレストはそのまま使わない
最近は、長距離バスや電車の座席にフットレストがついていることが多くなりました。あなたの前に乗った乗客が水虫キャリアだった場合、フットレストには水虫菌がついています。うっかり足を乗せると、水虫に感染します。
それを予防するためには、
- フットレストは使わない
- 折りたたんだ新聞紙をおいて使う
- 靴のまま足をのせる
などの対策をとりましょう。
なお、テッシュを敷いた程度では、水虫菌は薄い紙を貫通してあなたの足までやってきます。
銭湯やスパの足ふきマットは地獄行きの空飛ぶじゅうたん
最近人気のスーパー銭湯や、スポーツクラブのシャワールームには、足ふき用のバスマットが敷いてあります。
入浴後の足裏は水分でふやけるので、アカが落ちやすい状態になっています。誰かの足から落ちたアカのなかには水虫菌がいます。湿った足ふきマットは、水虫菌の温床です。踏んではいけません。飛び越えましょう。
ホテルの床は裸足で歩かない
安価なビジネスホテルには、室内用の使い捨てスリッパがありません。シャワーを浴びた後、素足でじゅうたんを歩けば、水虫に感染する可能性が高いです。
なぜなら、あなたの前にその部屋に宿泊した水虫患者も、同じように素足でじゅうたんを歩いたかも知れないからです。
ユニット浴室の床をシャワーで洗い流してから入浴し、入浴後は靴を履いてからじゅうたんに下りることをお勧めします。
なお、ホテルの部屋の床を靴下で歩くことも、わたしはしません。水虫菌がついた靴下で自宅に帰れば、自宅に水虫菌を持ち帰ることになるからです。
水虫完治前に履いていた靴は履かない
水虫菌は靴の中で数か月は生きています。その靴を履けば、また水虫になります。
スニーカーの場合、水洗いすればなんとかなります。大きなコインランドリーに行けば、スニーカー専用の洗濯機と乾燥機があります。革靴は、あきらめて処分してください。
わたしがコインランドリーでスニーカーを洗ったときの体験記はこちらです。
なお、水虫菌は60度程度で死滅します。家庭用のドライヤーの熱風は100度から110度くらいなので、その熱風をあてれば靴のなかの水虫菌を殺菌できると言う人もいます。自己責任で試してみてもよいとは思いますが、わたしは余計なリスクを取りたくないので、以前の靴はすべて処分しました。
じゅうたん、マットはできれば買い替える
足から落ちた水虫菌は数週間から半年は生きています。家族にひとりでも水虫患者がいると、家の中のじゅうたん、カーペットやラグ、マットの類はすべて水虫菌の住処になっています。
できれば買い替えましょう。
我が家はほとんどフローリングなので、よく掃除して、小さなマットとセンターラグのみ買い換えました。
じゅうたんの買い替えができない場合は、よく掃除機をかけた後、市販のじゅうたん用の洗剤で洗浄することをお勧めします。
毎日、足を洗う
どれだけ対策しても、水虫菌を完全に防御することは困難です。
でも大丈夫。水虫菌が足についても、その瞬間に水虫に感染するわけではありません。水虫菌が皮膚の中に入り込むには、約24時間かかります。24時間以内に洗い落とせば、水虫には感染しません。
毎日、石鹸で足をよく洗いましょう。とくに湿気がたまりがちな足の指の間を重点的に洗いましょう。
石鹸は、普通の石鹸で十分です。殺菌する必要はなく、皮膚の表面についている白癬菌を物理的に洗い流すことが目的なので、高価な薬用せっけんを使う必要はありません。
洗った後は、よく乾燥させましょう。
ときには外出中にも足を洗う
わたしは、とくに危ないと思ったときは、外出中でも足を洗うことがあります。そういうときは、駅や公園、デパートなどにある多目的トイレを利用します。
多目的トイレの個室内には、オストメイト用シャワーがありますし、それがないところでも個室内に洗面台がありますから、足を洗うことができます。
足を洗って、靴下を替えておけば、とりあえず自宅に水虫菌を持ち帰ることは防げます。
心配なときは、水虫薬を塗っておく
水虫菌が感染しそうな行為をしてしまったときは、予防のために水虫の薬を塗っておくこともお勧めします。
水虫菌に感染した直後は、水虫菌はまだ皮膚の奥に入り込んでおらず、浅い場所にいます。だから、表面に塗った水虫薬の効果がダイレクトに作用します。
予防のために手軽に塗れるのは、スプレー式の水虫薬です。指も汚れませんし、広い面積に一気に塗れるので、気軽に利用できます。
入浴後に、シュッとひと吹きすればよいので簡単です。
出先でスリッパを履いてしまったとき、スパの足ふきマットを踏んでしまったとき、バスのフットレストにうっかり足を乗せてしまったときなど、帰宅後に足を洗ってから、ささっと足裏に吹きかけておけば予防策として役立ちます。