ベビーフットは水虫の治療に効果があるか

ベビーフットだけでは水虫は治療できない

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ベビーフットでできること、できないこと

ベビーフットを水虫の治療に使う人がいらっしゃるようです。足の皮膚が剥けるので、水虫もいっしょに除去できると思うのかもしれませんね。

しかし、これは誤解です

ベビーフットが除去するのは、皮膚の角質層のうち表層に近いところにある老化部分です。まもなく垢になって剥がれおちようとしている古い層だけを、少し早めに剥離させる、というのがベビーフットの効果です。

皮膚の角質を全部剥がすわけではありません(もし全部剥がしたら、痛くて歩けなくなります)。

いっぽう、水虫の原因である白癬菌は角質の深くまで入り込んでいます。この深い層はベビーフットによるピーリングでは剥がれないので、そこにいる白癬菌は残ったままです。

つまり、ベビーフットで水虫を治療することはできません。

逆に感染を広める可能性も

ベビーフットを使うと、数日間にわたって角質層の表面がボロボロになって剥がれおちます。ネット上には皮膚が剥がれおちている状態の写真がたくさんアップされているので検索して探してみるとよいと思いますが、皮膚は大小さまざまなサイズの切れ端になって、周囲に散ります。

参考までに私がベビーフットを使ったときの写真を載せておきます。

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水虫患者の場合、こうして剥がれ落ちた皮膚の切れ端には白癬菌がいます。同居している家族がこの皮膚の切片を踏んだら、水虫に感染します。

また、ベビーフットで表面を剥がしたあとの足は、皮膚を保護する角質が薄くなり、細菌感染に弱い状態になっています。皮膚の抵抗力が弱まるのです。

その結果、たとえば右足が水虫で、左足は健康だった人でも、抵抗力が弱くなった状態で皮膚のカスを踏めば、左足まで白癬菌に感染する可能性が高いです。

結果として水虫の感染が広がることになりかねません。

水虫治療に役立つベビーフットの使い方

ベビーフットの使い方 – わたしの場合

わたしは水虫治療の一環としてベビーフットを使用しました。ただし、それは補助的な使い方でした。

わたしの場合、まずは普通に皮膚科に行き、水虫の塗り薬を処方してもらいました。その薬を、約2カ月間、毎日ちゃんと塗り続けました。

そうやって、皮膚の角質の白癬菌をあらかた退治しました。その治療の詳細は他の記事にまとめてあるので、よろしかったら読んでください。

水虫の治療記録

このようにして水虫の治療がおおむね完了した後に、ベビーフットを使って、老化した角質層を除去しました。

このときボロボロになって剥離した角質層のなかにいた白癬菌は、すでに死滅しています。したがって、家中に白癬菌をばらまく心配はありません。

そうしてベビーフットで古い角質を剥がすと、下から新しい角質層があらわれます。下にあった角質にはまだ水虫菌が潜んでいる可能性があるため、さらに2か月間ほど、毎日、水虫薬を塗りました。その結果、皮膚の深部の白癬菌まですべて退治することに成功しました。

わたしが水虫の完治に成功した勝因は、このように水虫薬とベビーフットを併用した二段階の治療法だったと考えています。

繰り返しますが、ベビーフットだけでは水虫を治療することはできません。しかし、水虫薬をメインに治療をしたうえで、その効果を高めるためにベビーフットを併用する、という方法ならば、合理性があると思います。わたしはこの方法で水虫の完治に成功しました。

水虫の皮膚へのベビーフットの使用は慎重に

ベビーフットに含まれる成分のなかには、皮膚への刺激が強いものが含まれます。ベビーフットの公式ホームページには、以下のような趣旨の注意書きがあります。

ジュクジュクした水虫や傷がある場合は・・・一度中身を綿棒にとり、患部につけられてみて、滲みないようであればご使用下さい。また、滲みる場合は患部を乾燥させた状態で再び綿棒でローションをつけ、滲みない事をご確認の上ご使用頂く事をお勧め致します。
(ベビーフット公式ホームページより)

この注意書きから考えても、水虫がひどい状態のときに治療目的でベビーフットを使用することは勧められないようです。

まずは水虫治療を

水虫の治療をしないでベビーフットを使っても、美足効果は限定的です。それどころか、ベビーフットによって水虫をさらに悪化させる可能性もあります。

まずは水虫治療を先行させて、皮膚の損傷がない状態でベビーフットを使うことをおすすめします。

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